時間学入門

時間とはいったい何か。私たちはそれをどのように認識しているのか。大いなる時間の謎に挑むさまざまな研究者の研究をご紹介します。

時間学入門#02「今」とは何か ―道元禅の時間理解―
イメージ私たちの日常にはいろいろな「今」があります。動画やゲームに夢中になって、ふと、「今何時だろう?」と思うときの「今」。学生時代の写真の中に懐かしい顔を見つけて、「あいつ、今なにやってるんだろう?」とつぶやくときの「今」。得意先にメールする書類をすっかり忘れていて、電話で「今送ります!」と言うときの「今」。よく見るとこの3つの「今」は、指している時間の幅や意味合いが微妙に異なっていることに気がつくでしょう。どうやら「今」は次から次へ、ただ機械的に流れていくものではないようです。それでは「今」とはいったい何なのでしょうか。日本曹洞宗の開祖 道元(1200-1253)は、「すべての今には時間の全体像が内包されている」と説きます。頭の中に「?」が浮かんだことと思いますが、少しだけ我慢してお付き合いください。
時間学入門#01「感じられる時間」は、なぜ変化するのか
イメージ遊んでいるときの1時間はあっという間なのに、退屈な会議の1時間は永遠のように思える。子どもの頃には長かった1年が、大人になるとみるみる過ぎてゆく。時間に関するこんな体験は、きっと誰にでも心当たりがあるのではないでしょうか。このことは、私たち一人ひとりの「感じられる時間」が、時計によって刻まれる物理的時間とは異なる性質をもつことを意味しています。「感じられる時間」に影響を与える要因はいくつかありますが、まずは「時間経過に向けられる注意」についてご説明しましょう。

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