未来百景

19世紀にとっての20世紀、20世紀にとっての21世紀、そして21世紀にとっての……。いつの時代にあっても、「未来」は私たちの想像を掻き立てる最高の題材です。しかし、「未だ来たらず」と書く通り、人間の思い描く未来とは、たとえその時が訪れても決して実現することのない「パラレルワールド」なのかもしれません。ここでは、そんな「未来=パラレルワールド」をテーマにした作品を取り上げ、各クリエイターが「未来」や「時間」をどういうものとして捉え、また、それをどう描いてきたのかを考察します。

未来百景#07A.I.
イメージ人間の生活を便利にする発明が生まれるとともに、それに対して警鐘を鳴らす声が同時に生まれることも、もはやお決まりとも言える。卑近な例で言えば、スマートフォンに対する依存性の懸念などが挙げられるだろう。しかしながら、いちど生まれた利便性は、手放すことは非常に難しい。結局のところ、普及とともに懸念の声も次第に下火になることが歴史の必然でもあろう。
未来百景#06インターステラー
イメージ時間とは不可逆的で、かつ不変的なものだとわたしたちは信じている。時間は未来に向かってただ進んでいくものであり、60秒という時の長さはたとえ地球の裏側にあるブラジルにいたとしても同じだ。
未来百景#05君の名は。
イメージ「昔々、あるところに銀河を旅する彗星がありました。彗星は地球の上空で離ればなれになると、片割れを地上に落として宇宙の彼方へと飛び去っていきました。その姿はまるで星回りの悪い恋人たちのようでした」 『君の名は。』で彗星はなぜ、1200年かけて再び糸守町へと還ってくるのか? 同作を貫く「組紐」のイメージから、そのストーリーに迫ります。
未来百景#04マトリックス
イメージ――「現実としか思えない夢を見たことはあるか?」 わたしたちが生きている世界は、実はプログラムが生み出した仮想現実であり、それは人工知能(A.I. )が人間に幻視させた「夢」にすぎない。『マトリックス』での「現実」において人類とは、A.I. が監視するカプセルのなかでひたすら「夢」をみながらエネルギーを搾取されるために培養される存在だ。キアヌ・リーブス演じる主人公・ネオは日々生きる現実がプログラムによる虚構にすぎず、悪夢のような世界こそが真実と知ると、人類を救うべくA.I. との戦いへと身を投じていく。
未来百景#03天使のくれた時間
イメージクリスマスの朝、気ままな独身生活を満喫する金融会社の社長ジャック・キャンベルが目を覚ますと、そこには、13年前に別れた恋人ケイトが眠っていた。寝室のドアが開き、プレゼントを手にした女の子が大はしゃぎでジャックに言う。「クリスマスおめでとう、パパ!」。もしもあの時、別の道を選んでいたら…。ニコラス・ケイジとティア・レオーニの演技が光る大人のファンタジー『天使のくれた時間』は、誰もが一度は考える「If」を表現した作品だ。
未来百景#02ブレードランナー
イメージ2019年、地球の環境は荒廃をきわめていた。空一面のスモッグが太陽をさえぎり、暗く沈んだ街には四六時中、酸性雨が降り続いている。人類を除く生物のほとんどは死に絶え、人々は別の惑星への移住に新たな希望を見出そうとしていた。そんな中、アメリカのタイレル社が人間そっくりのロボット(レプリカント)を開発。地球外基地での奴隷労働や他の惑星の探索などに使っていた。これが1982年公開のSF映画『ブレードランナー』の未来像だ。
未来百景#01バック・トゥ・ザ・フューチャー
イメージタイムトラベルをテーマにした作品は数多くあるが、昭和の終わりから平成の初めに青春時代を過ごした人であれば、真っ先に思い浮かぶのは『バック・トゥ・ザ・フューチャー(以下BTF)』だろう。1985年の「現在」から、1955年、2015年、そして1885年へと、時代を行き来する冒険に誰もが心を躍らせた。2015年10月21日にはBTFの「未来」がやって来たと話題になったが、現実はやはり、この名作には追いつけなかったようだ。作中に出てくる「乾燥機能付きの服」は発売されていないし、「雨の上がる時刻を秒単位で予測する天気予報」もない。そして何より、自動車はいまだに地面を走っている。

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