拝啓 あの日の自分

デジタルデバイスの普及により、
筆記具を使って「書く」という機会が失われつつある。
しかし、書家の前田鎌利氏は、デバイスがどう変化しようが、
人間が持っている「念い(おもい)」を伝えるという行為は不変だと訴える。
日本だけでなく、世界各地で、
さまざまな念いを書に刻み続ける、氏の時間デザインとは。

著者イメージ

前田 鎌利(まえだ・かまり)

1973年福井県出身。5歳より書を始める。2010年ソフトバンク孫正義氏の後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア第1期生として選考され、孫正義氏の資料作成などにも携わる。2013年ソフトバンクを退社し、未来へ日本の文化を継承していく書道塾・継未-TUGUMI-を経営。書家としてJリーグ「絶対突破」、JAXA「こうのとり」、彦根市「国宝 彦根城」をはじめとして多くの書を揮毫。パッケージ、ロゴのデザインやライブパフォーマンスなどを国内外で精力的に展開。

書道の勉強をやめて働こうかと悩んでいた頃の自分へ

僕を育ててくれたのは、大正生まれの祖父母だった。ふたりは読み書きができなかったから、たいへんな苦労をしたし、損もしてきた。そんな辛い思いをさせたくないからと、5歳の僕に書道を習わせてくれた。

両親にすこしでも楽をさせたくて、中学校を出たらすぐに働くつもりだった。高校にも、大学にも行きたくはなかった。それでも、両親は僕に勉強をやめるなと言ってくれた。そうまでして、自分たちの思いを僕に託したんだ。

進学しないで働こうと考えていたあの頃の自分に声をかけるなら、親の思いを受け止めろと言いたい。両親の強い思いがあったからこそ、書家としての未来が拓けるんだと。 サイン

あなたも、あの日の自分へ手紙を書いてみませんか?

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