拝啓 あの日の自分

あなたの「あの日」はいつですか。人生でいちばん泣いた、
いちばん嬉しかった、いちばん悩んだ、いちばん頑張った…、
そんなあの日に手紙を出すとしたら、いまのあなたは何を書きますか。
なぐさめ、警告、アドバイス、感謝。たとえ手紙は配達されなくても、
その言葉はきっと届きます。なぜって、「あの日の自分」は、
いまも、あなたの中にいるのですから。

著者イメージ

辻村 深月(つじむら・みづき)

山梨県笛吹市出身。千葉大学教育学部卒。
2004年「冷たい校舎の時は止まる」でメフィスト賞を受賞してデビュー。2011年『ツナグ』で吉川英治文学新人賞、同作は2012年に映画化。2012年『鍵のない夢を見る』で直木賞を受賞。幼少期から藤子・F・不二雄作品のファンで、『凍りのくじら』では各章がドラえもんのひみつ道具の名前に。ほかに『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『朝が来る』など著作多数。ドラマ化、漫画化された作品も多い。

言葉にならない息苦しさを
抱えていた中学生の自分へ

あの息苦しかった中学生の時期。でもそれが、今になって小説を書く原動力になっている。多くの人が過去のものとして忘れ去ってしまう10代の時間。それを私は今も引っ張り出して、のぞき込んで、書けるから。大好きな本を読んで、この作者にお礼が言いたい、近づきたいと思って、でもそのためにどうしていいかわからず途方に暮れていた、あの頃のあなたのことを忘れたことはありません。
中学生は、いっぱい泣いたり苦しんだりしていいんだよ。10代の時間は信じられないくらい濃密で出口がないように思えるけど、周りには確実にあなたを支えてくれる風が吹いています。
そして、大人になるのは、全然別の存在になることではなくて、あなたがいる苦しい時間の先にあること。怖がらなくていいんだよ。
中学生時代に読んでいた作家さんに同業者として会えるいま。大人になったら「信じられない、いいことがたくさんあるよ!」と、教えたいけど、いまはまだ知らずに、どうかたくさん泣いて、悲しい中で出会うひとつひとつの出会いを大切にしてね。
サイン

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