コラム

ヒトは何をどう成し遂げてきたのか

ヒトは何をどう成し遂げてきたのか #12 服の歴史
イメージ 人はなぜ、服を着るのか。禁断の果実を食べたイヴは裸であることが恥ずかしくなってイチジクの葉を用いたそうだが、私たちが服を着る理由は、裸を隠すためだけではなさそうだ。時代とともに目まぐるしく移り変わってきた服の歴史を概観してみよう。
ヒトは何をどう成し遂げてきたのか #11
イメージ 寸鉄人を刺す、鉄面皮、鉄は熱いうちに打て、「鉄人」や「鋼の肉体」なんて比喩もある。古くから人々の身近にあって、暮らしを支えてきた「鉄」。鉄はいつ人類の歴史に登場して、どのように利用されてきたのだろうか。その来歴をさぐってみよう。
ヒトは何をどう成し遂げてきたのか #10 道具の歴史
イメージ 神が土をこねてつくったという説を一度カッコに入れさせてもらえれば、人類の起源は割とはっきりしている。ナックルウォークと呼ばれる四足歩行から直立二足歩行になったとき、私たちの祖先はサルと別の道を歩きはじめた。自由なった「前足」でかヒトが生み出したもの、それが道具である。人類に今日の繁栄をもたらした道具の歴史をさぐってみよう。
ヒトは何をどう成し遂げてきたのか #09 宇宙飛行
イメージ 幼い頃、宇宙飛行士になりたいという夢を持っていた人は、きっと少なくないだろう。無限に広がる空間、無重力の生活、そして、青く輝く地球の姿。私たちが思い描くそんなイメージの背後には、いったいどんな出来事があったのだろうか。宇宙飛行の歴史を概観してみよう。
ヒトは何をどう成し遂げてきたのか #08 メディアの歴史
イメージ 「変化」という言葉に私たちは弱い。インターネットの登場によってメディアは劇的に変化した、などと言われると、「その通り!」と無条件に同調してしまう。ネットがメディアを変えたのが事実だとして(もちろん事実だろう)、そこに変わってないものはないのか。そもそも、メディアとは何なのか。スマホ、パソコン、テレビ、新聞……。日々無意識に接しているメディアの歴史に目を向けてみよう。
ヒトは何をどう成し遂げてきたのか #07 文字の歴史
イメージ あまりに身近で、あるのが当たり前になってるものほど、その大切さを忘れてしまいがちだ。文字もそのひとつ。いったい、文字のない世界というものを、私たちは想像できるだろうか。メールもワードもないパソコン、店名のわからない店が並ぶ商店街、記事のない新聞(じゃあ何があるんだろう?)、写真とイラストでつくられた教科書……。私たちの生活を基礎づけている文字の歴史をさぐってみよう。
ヒトは何をどう成し遂げてきたのか #06 エベレストはどう攻略されたか
イメージ 「そこに山があるから」。なぜ山に登るのかに答えたこのあまりに有名な言葉は、イギリスのアルピニスト ジョージ・マロリーのものだ。彼が情熱をもって挑み続けついには命を落とした山、エベレスト。標高8848m、地上のすべてを見下ろす世界の屋根に人々はどう立ち向かい、いかにして攻略したのだろうか。
ヒトは何をどう成し遂げてきたのか #05 深海探査
イメージ 地球上に残された最後の秘境、深海。青くきらめく海は水深1000mを超えると、茫漠とした闇の世界へと一変する。深海にはいったい何があるのか。そして、人はなぜ、そこに惹かれるのか。深海探査の道筋をたどった。
ヒトは何をどう成し遂げてきたのか #04 海を渡る
イメージ 大西洋、太平洋、インド洋、北極海に南極海、お望みならそこに日本海を加えてもいい。現代の私たちにとって海は、世界地図の上で区切られ、名づけられた「範囲」だといえるだろう。しかし、人工衛星からの写真はおろか、まともな地図さえ持たなかった時代の船乗りにとって、それは、見るも恐ろしい「ひとかたまりの巨大な水」だった。はげしい嵐、日照り、座礁、食糧不足、病……。航海には常にさまざまな危険がつきまとった。人々はいかにしてそれを克服し、新たな「世界」を切り拓いたのだろうか。知られざる航海の歴史を追った。
ヒトは何をどう成し遂げてきたのか #03 空を飛ぶ
イメージ 大空を自由に飛び回りたい。それは、常に重力の支配を受けている私たちにとって、根源的とさえ言える欲望ではないだろうか。しかし、人類のこの無邪気な夢は、長い間、文字通り「夢」でしかなかった。空気より重い物体が宙に浮き、自由に飛行するなどということは、19世紀の人々にとってさえ、常識はずれの「たわ言」だったのである。ではなぜ、その「たわ言」が、20世紀の初頭に実現できたのか。そこには「常識」に挑み続けた男たちの人生があった。
ヒトは何をどう成し遂げてきたのか #02 城はいかに「進化」してきたか
イメージ 壮大な石垣に鎮座する天守閣。「城」と聞いて思い浮かべるのは、きっと、そんな光景だろう。しかしそれは、城という言葉が指し示すものの一部に過ぎない。城には時代や地域によって異なる役割があり、それに伴うカタチがあった。ここでは、そんな状況の変化に着目し、日本の城がたどってきた「進化」の過程に迫ってみたい。
ヒトは何をどう成し遂げてきたのか #01 ピラミッドはどうつくられたか
イメージ 紺碧の空に描かれた巨大な幾何学図形。人類の歴史上、空前絶後の建造物であるピラミッドは、その多くの謎とともに、各時代の人々を魅了してきた。21世紀を生きる私たちもまたしかり。一体ピラミッドとは何なのか。誰が、何のために、どうやってつくったのか。数千年にわたって繰り返されてきたであろうこの問いを、私たちもまた、この偉大なる「金字塔」にぶつけてみたい。

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時間学入門

時間学入門 #03 暦に秘められた歴史
イメージ 今日が何月何日かを、みなさんは普段、何で確認しますか。カレンダー、手帳、腕時計、スマートフォンという方も多いことでしょう。私たちの社会にとって暦(こよみ)は、あまりにもあって当然の存在です。しかしそれは言うまでもなく、水や空気のように地球上に元々あったものではありません。では、人類はなぜ、暦をつくりだしたのでしょうか。
時間学入門 #02 「今」とは何か ―道元禅の時間理解―
イメージ 私たちの日常にはいろいろな「今」があります。動画やゲームに夢中になって、ふと、「今何時だろう?」と思うときの「今」。学生時代の写真の中に懐かしい顔を見つけて、「あいつ、今なにやってるんだろう?」とつぶやくときの「今」。得意先にメールする書類をすっかり忘れていて、電話で「今送ります!」と言うときの「今」。よく見るとこの3つの「今」は、指している時間の幅や意味合いが微妙に異なっていることに気がつくでしょう。どうやら「今」は次から次へ、ただ機械的に流れていくものではないようです。それでは「今」とはいったい何なのでしょうか。日本曹洞宗の開祖 道元(1200-1253)は、「すべての今には時間の全体像が内包されている」と説きます。頭の中に「?」が浮かんだことと思いますが、少しだけ我慢してお付き合いください。
時間学入門 #01 「感じられる時間」は、なぜ変化するのか
イメージ 遊んでいるときの1時間はあっという間なのに、退屈な会議の1時間は永遠のように思える。子どもの頃には長かった1年が、大人になるとみるみる過ぎてゆく。時間に関するこんな体験は、きっと誰にでも心当たりがあるのではないでしょうか。このことは、私たち一人ひとりの「感じられる時間」が、時計によって刻まれる物理的時間とは異なる性質をもつことを意味しています。「感じられる時間」に影響を与える要因はいくつかありますが、まずは「時間経過に向けられる注意」についてご説明しましょう。

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時間が息づく場

時間が息づく場 #03 日本橋
イメージ 東海道など江戸の五街道の起点であり、日本の交通網の原点ともいえる日本橋。この日本橋の上には1964年の東京オリンピック直前の1963年に高架になった首都高速がかけられた。それ以来、景観論争の的となっている。麒麟や獅子の像で装飾された美しい日本橋の上に無粋な高架道路があるのは目障りだ、という論だ。撤去して欲しいという請願書や署名も提出され、2006年には有識者会議「日本橋川に空を取り戻す会」が「日本橋地区の美しさと魅力を創出する事業」を推進するよう、提言書を発表している。首都高建設時も議論の的となったようで、1979年に発行された「首都高速道路公団二十年史」(首都高速道路公団編)では反対意見に触れ、さらに「しかし当時この付近の構造美については、とくにその評判が高かったものである。」と自己弁護ともとれる記述をしている。
時間が息づく場 #02 名古屋城本丸御殿
イメージ 400年前に建てられ、太平洋戦争で焼失してしまった名古屋城本丸御殿。長らく空き地だったところに元通りのまっさらな姿で建て直され、第1・2期の公開を経て2018年6月に第3期を含む全体が公開された。何もなかったところに400年前の光景が出現する、タイムトリップのような体験だ。
時間が息づく場 #01 東京国立博物館
イメージ 日本でもっとも長い歴史をもつ博物館である東京国立博物館。通称「トーハク」。その歴史は150年近く前、明治5年(1872年)まで遡る。湯島大聖堂で文部省博物館が最初の博覧会を開いたのが始まりだ。その頃は美術工芸品だけでなく標本や機械、動物、植物まで幅広く収集・陳列する総合博物館だった。その後動物は動物園に、標本類は国立科学博物館に、図書は国立国会図書館へと枝別れしていく。日本のミュージアムやデータ保存施設の祖先と言っていい存在だ。

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スクリーンは語る

スクリーンは語る #05 her/世界でひとつの彼女
イメージ 主人公の男は、たいてい天と地の中間にいる。彼のライフスペースは高層ビルの一室にあり、そこからは大きな空やほかのビル群が見渡せる。音声認識OSに恋をする、〝地に足がついていない〟彼にぴったりのロケーションだ。だって顔も体も持たない、声と知性だけの人工知能を愛するなんて――。機械と人間、魂と肉体、そうしたもののあいだを行き来する彼自身を象徴するような部屋で、セオドア(ホアキン・フェニックス)とサマンサ(スカーレット・ヨハンソン)は仲睦まじく、あるいはときに大きなハードルを抱えて過ごしている。この部屋の窓から見える空の光は、いつも、まぶしいくらいに煌めいている。
スクリーンは語る #04 ヒロシマ・モナムール
イメージ 「広島で何もかも見たわ」と言う女に対して、「君は何も見ていない」と答える男。『ヒロシマ・モナムール』における、冒頭のこのやり取りは、認識そのものの多義性を考える上で興味深い。1959年の日本公開時には『二十四時間の情事』という邦題がつけられた本作では、反戦映画のロケのために日本を訪れたフランス人女優と、広島在住の日本人技師との間の一日の恋が描かれる。先述の台詞は、ふたりが肌を重ねる中で発せられたものであり、女が広島において被爆者たちの治療風景、原爆資料館に所蔵される焦げた鉄や焼け残った石、またキノコ雲の模型などの、原爆が残した傷跡を見たことがその論拠となっている。
スクリーンは語る #03 ハドソン川の奇跡
イメージ 「事実は小説よりも奇なり」という英国の詩人バイロンの言葉にも表れているように、わたしたちの人生は時にフィクションを超えた数奇な出来事に遭遇することがある。それは人生に裏切るかもしれないし、あるいは思ってもみなかった幸運をもたらすかもしれない。少なからず言えるのは、そのような出来事を体験した以前/以後で人生が大きく変わるということだろう。本作の主人公であるサリー機長(チェスリー・サレンバーガー)もまた数奇な出来事に遭遇し、人生が大きく変わった一人である。
スクリーンは語る #02 6才のボクが、大人になるまで。
イメージ 映画の中で長い時間軸の物語が設定される場合、俳優個々の肉体的または心理的要素の変化が、時間相応に表現される。その同一性と差異の巧みな表現は、映画自体の評価基準ともなっている。しかし私たちは、俳優の身体に若さや老化などの細工が施され、その技巧が手本とされるような映画にあまりにも慣れすぎてしまってはいないだろうか。膨大な過去の情報に誰でも気楽にアクセスし遡行できる時代に、スクリーン上で仰々しく設定された時間の細工に、昔ほどの新鮮な驚きを感じていられるだろうか。
スクリーンは語る #01 ゴッドファーザー
イメージ 『ゴッドファーザー』の数代に及ぶ長大なサーガは、大戦の前後で二様に引き裂かれた「暴力と宗教」の関係を表現しているといえる。物語は主に二人の人物に交互に焦点を当てて描かれる。大戦前後のアメリカでマフィアとして活躍したヴィトー・コルレオーネと、その息子の四兄弟の一人であり、後に財団経営者として更にマフィア組織を拡大したマイケル・コルレオーネである。

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ヒトは何をどう成し遂げてきたのか

未来百景 #10 ラ・ラ・ランド
イメージ 『ラ・ラ・ランド』はめくるめく「円」を描く。ジャズ・ピアニストのセブが回転させるレコード、女優志望のミアがルームメイト達とLAの路上で踊る輪舞、ミアとセブがプラネタリウムで星々と共に踊るワルツと、探せばキリがない。この「円」はふるくから時間の形象として、「時計」の形で存在してきたものだ。一日が終わり、また新たな一日(「アナザー・デイ・オブ・サン」)が始まるという、太陽の運行にも似た循環性を「円」は象徴する。
未来百景 #09 マイノリティ・リポート
イメージ 時計の針は進むことを止めない。現在から見て一瞬前は過去となり、一瞬後は未来になる。しかしすぐさま現在であった時間は過去となり、先ほどまで未来であったものが現在に変化する。それが永遠に繰り返され、時間の流れは仮借なく進んでいく。人間はその流れから逃れることができない。
未来百景 #08 ミッション:8ミニッツ
イメージ 「これは時間旅行ではない。時間の再分配だ。」
ある哲学者がいうには、わたしたちは実際には過去しか知覚していない。わたしたちが関わる対象すべてが、なんらかの記憶をまとってしまうからだ。だから現在もまた「過去」なのである。だとすると、幽閉された過去のなかで未来を抉(えぐ)り抜き、未来を知覚しようともがく男の姿が描かれる『ミッション:8ミニッツ』は、奇妙な映画なのかもしれない。
未来百景 #07 A.I.
イメージ 人間の生活を便利にする発明が生まれるとともに、それに対して警鐘を鳴らす声が同時に生まれることも、もはやお決まりとも言える。卑近な例で言えば、スマートフォンに対する依存性の懸念などが挙げられるだろう。しかしながら、いちど生まれた利便性は、手放すことは非常に難しい。結局のところ、普及とともに懸念の声も次第に下火になることが歴史の必然でもあろう。
未来百景 #06 インターステラー
イメージ 時間とは不可逆的で、かつ不変的なものだとわたしたちは信じている。時間は未来に向かってただ進んでいくものであり、60秒という時の長さはたとえ地球の裏側にあるブラジルにいたとしても同じだ。
未来百景 #05 君の名は。
イメージ 「昔々、あるところに銀河を旅する彗星がありました。彗星は地球の上空で離ればなれになると、片割れを地上に落として宇宙の彼方へと飛び去っていきました。その姿はまるで星回りの悪い恋人たちのようでした」 『君の名は。』で彗星はなぜ、1200年かけて再び糸守町へと還ってくるのか? 同作を貫く「組紐」のイメージから、そのストーリーに迫ります。
未来百景 #04 マトリックス
イメージ ――「現実としか思えない夢を見たことはあるか?」 わたしたちが生きている世界は、実はプログラムが生み出した仮想現実であり、それは人工知能(A.I. )が人間に幻視させた「夢」にすぎない。『マトリックス』での「現実」において人類とは、A.I. が監視するカプセルのなかでひたすら「夢」をみながらエネルギーを搾取されるために培養される存在だ。キアヌ・リーブス演じる主人公・ネオは日々生きる現実がプログラムによる虚構にすぎず、悪夢のような世界こそが真実と知ると、人類を救うべくA.I. との戦いへと身を投じていく。
未来百景 #03 天使のくれた時間
イメージ クリスマスの朝、気ままな独身生活を満喫する金融会社の社長ジャック・キャンベルが目を覚ますと、そこには、13年前に別れた恋人ケイトが眠っていた。寝室のドアが開き、プレゼントを手にした女の子が大はしゃぎでジャックに言う。「クリスマスおめでとう、パパ!」。もしもあの時、別の道を選んでいたら…。ニコラス・ケイジとティア・レオーニの演技が光る大人のファンタジー『天使のくれた時間』は、誰もが一度は考える「If」を表現した作品だ。
未来百景 #02 ブレードランナー
イメージ 2019年、地球の環境は荒廃をきわめていた。空一面のスモッグが太陽をさえぎり、暗く沈んだ街には四六時中、酸性雨が降り続いている。人類を除く生物のほとんどは死に絶え、人々は別の惑星への移住に新たな希望を見出そうとしていた。そんな中、アメリカのタイレル社が人間そっくりのロボット(レプリカント)を開発。地球外基地での奴隷労働や他の惑星の探索などに使っていた。これが1982年公開のSF映画『ブレードランナー』の未来像だ。
未来百景 #01 バック・トゥ・ザ・フューチャー
イメージ タイムトラベルをテーマにした作品は数多くあるが、昭和の終わりから平成の初めに青春時代を過ごした人であれば、真っ先に思い浮かぶのは『バック・トゥ・ザ・フューチャー(以下BTF)』だろう。1985年の「現在」から、1955年、2015年、そして1885年へと、時代を行き来する冒険に誰もが心を躍らせた。2015年10月21日にはBTFの「未来」がやって来たと話題になったが、現実はやはり、この名作には追いつけなかったようだ。作中に出てくる「乾燥機能付きの服」は発売されていないし、「雨の上がる時刻を秒単位で予測する天気予報」もない。そして何より、自動車はいまだに地面を走っている。

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人間と時間

人間と時間 #16 論語
イメージ 論語は言わずと知れた孔子(前552年―前479年)とその弟子たちの言行録で、中国の大古典「四書」のひとつである。その一節「吾れ十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。(…)」を自己に当てはめて、自らの来し方と行く末に思いを馳せたことのある方も多いだろう。そんな孔子の人生観を理解する上で欠かせないのが次のことばだ。
人間と時間 #15 生の短さについて
イメージ 人生は短い、とよく言われる。だから一日一日を大切に生きなさい、と。しかしまた、こうも言われる。人生は長い。だから一度や二度の失敗でくよくよせず、いろんなことをやってみなさい。いったい人生は短いのか、それとも長いのか。古代ローマの哲学者 セネカ(前4年頃~後65年)の答えはこうだ。
人間と時間 #14 徒然草
イメージ 「つれづれなるままに、日暮らし硯に向かひて…」からはじまる『徒然草』は、吉田兼好が48、9歳の頃に書かれた随筆である。50歳手前の働き盛りなのに「つれづれ(=何もすることがない)」なんて……と思うかもしれないが、そこは今から700年も前のこと。当時の平均寿命がおよそ30歳だったことを考えると、50歳手前は立派な老境だといえる。兼好自身、「四十そこそこで死ぬのが無難」とまで言っているのだから、何もすることがなくても不思議ではない。
人間と時間 #13 スロー・イズ・ビューティフル
イメージ 「次にまいります3番線の電車は、途中駅混雑の影響で3分ほど遅れております。お急ぎのところ電車遅れまして、誠に申し訳ございません」 ため息をついてスマホを取り出し、「何してんだよ」と心の中でつぶやく。隣に並んでいるサラリーマンから舌打ちが聞こえる。毎日の生活で電車を利用している人なら、こんな体験は日常茶飯事だろう。電車やバスが遅れて嬉しい人はいない。それにしても私たちは、なぜ、こんなにイライラするのだろう。時間通り、計画通り、効率よく、なるべく早く……。そんな現代社会は私たちから何かを、人間としてとても大切な何かを奪ってしまったのではないだろうか。辻信一著『スロー・イズ・ビューティフル』(平凡社)は、そのことに気づかせてくれる一冊だ。
人間と時間 #12 失われた時を求めて
イメージ 時間について考えるのであれば、プルーストの『失われた時を求めて』をはずすわけにはいかない。すこし大げさに言えばそれは、聖書を読まずにキリスト教を理解しようとするようなものだ。とはいえ、『失われた時を求めて』はフランス語の原文で3千ページ以上、日本語訳では400字詰めの原稿用紙で1万枚以上の大作。そう簡単に読めるものではない。でも読みたい。せめて、大体どんな話かだけでも知りたい。鈴木道彦著『プルーストを読む―『失われた時を求めて』の世界』(集英社新書)は、そんなわがままに応えてくれる一冊だ。『失われた時を求めて』の個人全訳を完成した著者が、重要なテーマや登場人物について紹介・解説してくれる。
人間と時間 #11 ためにならない話
イメージ 私たちの日常は目的と手段でできている。金を稼ぐために働く。試験に合格するために勉強する。インスタにあげるために旅行に行く……。世の中の物事は必ず、ほかの何かの「ために」存在しているのだ。星新一のショートショートを読むと、そんな「常識」の怪しさに気づかされる。たとえばこんな話。
人間と時間 #10 生命はどう持続しているのか
イメージ あなたが応援しているチームのことを思い浮かべてみてほしい。野球でも、サッカーでも、アイドルグループでもいい。そのチームを好きな理由は何だろう。「好きな選手やメンバーがいるから」というのは、ひとつ、ありそうな答えだ。しかしどんな選手もいつかは引退するし、場合によっては別のチームから嫌いな選手が加入してくることもある。それでも私たちは、ふつう、そのチームのファンをやめることはない。ファンとはいったい何なのか、というのは置いといて、このチームで起きているのと同じようなことが、実は私たちの身体でも起きている。
人間と時間 #09 「時間どろぼう」は何をぬすんだのか
イメージ 『モモ』はおそろしい物語である。そこに描かれているのは現代の社会そのものだ。効率を追い求めて想像力を失い、他人を思いやる心を忘れ、「いま」を楽しむことのできなくなった私たちひとりひとりだ。
人間と時間 #08 LIFE SHIFT
イメージ 「いま50歳未満の日本人は、100年以上生きる時代、すなわち100年ライフを過ごすつもりでいた方がいい」。そう言われて、あなたはどう思うだろう。喜ばしさの一方、そこはかとない不安を覚えるのが正直なところではないだろうか。『LIFE SHIFT』(リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著 池村千秋訳 東洋経済新報社)は、そんな私たちに、100年ライフを生きる勇気とビジョンを与えてくれる。
人間と時間 #07 時間と自己
イメージ 「時間という現象は、私が私自身であることと厳密に一致する」。木村敏著『時間と自己(中公新書)』を紹介するコラムです。管理される時間から、自ら生み出し構築する「時間」へ。JMAMのお届けするWebマガジン『時間デザイン』
人間と時間 #06 時よ、とどまれ、おまえはじつに美しい
イメージ 「時よ、とどまれ、おまえはじつに美しい」。 ゲーテ作 池内紀訳『ファウスト(集英社文庫)』を紹介するコラムです。管理される時間から、自ら生み出し構築する「時間」へ。JMAMのお届けするWebマガジン『時間デザイン』
人間と時間 #05 あなたにもわかる相対性理論
イメージ 「相対性理論」という言葉を聞いたことがない人は少ないだろう。それがドイツ生まれの物理学者、アインシュタインによるものだということも。しかし、どんなものかと聞かれると「……」となるのが実情ではないだろうか。そんな方に手に取ってほしいのが茂木健一郎著『あなたにもわかる相対性理論』(PHP研究所)だ。「アインシュタインの伝記を読んで科学者を志した」と語る著者が、相対性理論の骨格とアインシュタインの魅力を、タイトル通りわかりやすく教えてくれる。ここでは本書にある「時間の遅れ」についてご紹介しよう。
人間と時間 #04 ゾウの時間 ネズミの時間
イメージ 哺乳類の心臓は、その「主」の種によらず、20億回打つと止まる。こんな話が好きな人にぜひ読んでもらいたいのが、サイズという視点から生物に迫る科学読み物の大ベストセラー、『ゾウの時間 ネズミの時間』(本川達雄著 中公新書)だ。
人間と時間 #03 「時間」を哲学する ―過去はどこへ行ったのか―
イメージ 過去はどこへ行ったのか? 21世紀の日本に、こんな疑問を持っている人がはたして何人いるだろう。このページを開いたのも何かのきっかけだと思って、10秒ほど考えてみてもらいたい。「どこへ行ったも何も過去は過ぎ去っているんだから、その記憶だけが頭の中にあるんじゃないの」といったあたりが、きっと、常識的な答えではないだろうか。これに対して本書の著者、哲学者の中島義道は「過去はどこへも行かない」と主張する。一体どういうことだろう。
人間と時間 #02 自分の時間 ―1日24時間でどう生きるか―
イメージ こんなたとえ話がある。 ある朝ひとりの男があなたの前に現れ、お金の詰まったスーツケースを渡してこう告げる。「このお金をあなたに差し上げます。ただし、今日一日で使い切れなかった分はすべて没収します」。そう言われたら、誰もが必死になってこのお金を使い切ろうとするだろう。ではなぜ、私たちは、同じように消えてしまう「時間」を使い切ることなく、今日という日を終えてしまうのだろうか。
人間と時間 #01 大人の時間はなぜ短いのか
イメージ 年をとればとるほど、月日があっという間に過ぎていく。そんな「怪奇現象」に悩む大人はきっと多いことだろう。ついこの前正月だったのに、気づけば桜が散っていて、夏が来たと思ったら、紅葉の見頃が過ぎていて、え!もう除夜の鐘? 子供の頃の1年が「万里の長城」だとしたら、最近の1年は「歩道橋」くらいのものだ。年をとるわけである。同じ1年なのに、なぜ、これほどまで感じ方が違ってしまうのだろう。そんな疑問に答えてくれるのが、一川誠著『大人の時間はなぜ短いのか』である。

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